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第1章 失われた時間

仕事を終えて帰路につく。
私の捜索は仕事中に限らない。
目当ての職種の建物をしらみ潰しに探して、ネットで情報をチェックして、それでも足りない時は週末や休暇の平日にもう一度赴き、尋ねる。

目当てのあの人がいないかと…

簡単に教えてくれないところもあり、場合によっては、そこに用があるフリをして、そこで働く人の名前を調べる。

でも、彼がその職種に就いたという保証もない。
私は全く検討違いなことをしているのかもしれない。

休みの捜索は、まだ文学部の学生時代から行っている。つまり東京に来た時から…

毎日、もっと時間がある時から行っている捜索が実らないのだから、諦めるしかないのだろうか…