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アムネシアは蜜愛に花開く
第3章 Ⅱ 誘惑は根性の先に待ち受ける

「アズ、お前……」
巽のわたしを呼ぶ声が上擦っているのが恥ずかしくてたまらない。
「いや、言わないで!!」
「アズ、なぁ」
「言わないでって言ってるでしょう!!」
「すげぇ溢れているぞ。後から後から」
「……っ」
わたしは羞恥にシーツをぎゅっと握りしめた。
「これのどこが、濡れねぇ身体なんだよ」
「……」
「なぁ、アズ」
巽が指で、ひくついてさざめく花弁を割り、ぐちゅぐちゅと音をたててかき回す。
「――っ!!」
甘い電流が体に走り、わたしは思わず声を出すまいと口を手の甲で押さえたが、びくびくする体がどう感じているかなど、巽はわかってしまうだろう。
「音、聞こえるか? こんなにとろとろになっていて、なんであんな……まがいもんの蜜なんか必要なんだよ」
それは巽が相手だから。
巽だから、わたしの身体は濡れるの――。
そう言えないわたしは、快感を押し殺しながら、当の本人にそれを指摘される屈辱に唇を噛みしめた。

