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アムネシアは蜜愛に花開く
第2章 Ⅰ 突然の再会は婚約者連れで
 


 大会議室は全社員の二倍くらいを収容出来る椅子が楕円形の机の周りに置かれている。
 怜二さんに言われて、それぞれの課ごとにまとまって集まり、そして全員集まって五分くらい経ってから、三嶋社長を含めた重役全員と、そして由奈さんと影に隠れるようにして背の高い男性が立っている。

 常務のかけ声で皆椅子から立つ。
 そして社長が話し出した。

「皆さんも耳にしていたと思いますが、本日付で我がルミナスはアムネシアに吸収される形となる。明日からは虎ノ門にあるアムネシアビルに行ってくれ」

 社員達はざわめいた。
 
「皆の席は用意されているんですよね?」

 怜二さんの声に応えたのは、由奈さんの隣に居る男性だった。

「はい、今月は」

 由奈さんが邪魔でよく見えない。

「今月?」
「はい。今月の働きぶりで、切るか切らないか決めたいと思います」

 ……ねぇ、まさかこの声。
 この深く艶やかな声。

 ううん、そんなはずはない。
 ここに、巽はいない。

「アムネシアには有能な社員しか必要ありません」

 男性から視線を受けた気がする。
 そして彼はゆらりと揺れるようにして、社長達が並ぶ壁の前に立つ。

 ふわりと、わたしが好きなアムネシアの香りがしたように思えた。

「でもご安心を。退職金は出しますので」

 艶やかな黒髪。
 射るような切れ長の目。
 通った鼻梁、肉厚の唇。
 冷ややかにも思える、彫り深い端正な顔。

 黒い背広を着てネクタイをしめた、凄絶な美貌に輝くその姿は――。

「申し遅れました。僕はアムネシアで専務をしております、氷室巽と言います。社長より、社長代理として指導役を申し使っております」

 巽だ。
 巽じゃないか。

 巽がいる――!?
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