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記憶の彼方に眠る恋
第4章 再会

拓麻は今度は紗友莉の髪を優しくなでながら、言葉を継いだ。
「確かに紗友莉の言うとおりかもな。ただ、そのためにはまず、俺が記憶を全て取り戻す必要がある。俺も心のどこかでは、そんなこと分かってたつもりだ。お前の事を誰にも渡したくないという気持ちばかりが先走って、いきなりこんなことをしてごめんな」
そう言うと、紗友莉からそっと身体を離す拓麻。
「あ……その……! 謝らないで! 気持ち、すごく嬉しいし、全然嫌じゃないから!」
誤解されたくないので、紗友莉が叫ぶように言う。
拓麻は安心させるような微笑みを浮かべて言った。
「紗友莉は優しいんだな。俺はますます紗友莉の事が好きになりそうだけど、しばらくはキスとかハグとか、露骨な行為は控えるようにする。記憶を取り戻し、婚約も破棄し、綺麗さっぱり元通りになってから、紗友莉に告白するよ」
心臓の鼓動も、高揚する気分も、全然元に戻る気配のない紗友莉には、なかなか返す言葉が見つからない。
しかし、拓麻は別段気にする様子もなく、言葉を続けた。
「俺としても、早く記憶を取り戻したい気持ちは強いし、それが何よりも優先されないとな。紗友莉も協力してくれるだろ?」
「もちろん!」
「ありがとな。じゃあ、とりあえずこんなところで突っ立っててもしょうがないし、座ろう」
そう言うと、拓麻は紗友莉を促して椅子に座らせ、自らも真向かいの椅子に腰を下ろした。
それから、拓麻の頼みを受けて、紗友莉は拓麻と過ごした頃の想い出話を始めることに。
先ほど受けたキスによる衝撃の余韻は一向に消えぬまま。
「確かに紗友莉の言うとおりかもな。ただ、そのためにはまず、俺が記憶を全て取り戻す必要がある。俺も心のどこかでは、そんなこと分かってたつもりだ。お前の事を誰にも渡したくないという気持ちばかりが先走って、いきなりこんなことをしてごめんな」
そう言うと、紗友莉からそっと身体を離す拓麻。
「あ……その……! 謝らないで! 気持ち、すごく嬉しいし、全然嫌じゃないから!」
誤解されたくないので、紗友莉が叫ぶように言う。
拓麻は安心させるような微笑みを浮かべて言った。
「紗友莉は優しいんだな。俺はますます紗友莉の事が好きになりそうだけど、しばらくはキスとかハグとか、露骨な行為は控えるようにする。記憶を取り戻し、婚約も破棄し、綺麗さっぱり元通りになってから、紗友莉に告白するよ」
心臓の鼓動も、高揚する気分も、全然元に戻る気配のない紗友莉には、なかなか返す言葉が見つからない。
しかし、拓麻は別段気にする様子もなく、言葉を続けた。
「俺としても、早く記憶を取り戻したい気持ちは強いし、それが何よりも優先されないとな。紗友莉も協力してくれるだろ?」
「もちろん!」
「ありがとな。じゃあ、とりあえずこんなところで突っ立っててもしょうがないし、座ろう」
そう言うと、拓麻は紗友莉を促して椅子に座らせ、自らも真向かいの椅子に腰を下ろした。
それから、拓麻の頼みを受けて、紗友莉は拓麻と過ごした頃の想い出話を始めることに。
先ほど受けたキスによる衝撃の余韻は一向に消えぬまま。

