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記憶の彼方に眠る恋
第4章 再会

紗友莉が黙っているのを見て、拓麻は少し抱きしめる力を緩めながら言った。
「俺としても、紗友莉が本気で嫌がっているなら、こうして強引に無理やり抱きしめ続けたくはない。紗友莉の気持ちを聞かせてくれ。俺の事が、好きか、嫌いかを」
言い終わると、優しく紗友莉の髪を撫でてくる拓麻。
いまだかつて、男性からここまで熱烈に告白されたことはただの一度もない紗友莉の心臓は、ますますその鼓動を速めていく。
しかも、相手は、かつて長年想い焦がれていた拓麻なのだ。
紗友莉は甘美な感覚に全身を包まれながら、内心「拓麻が記憶喪失じゃない状態で、こんな告白をしてもらえたのならどんなによかっただろう」などと思っていた。
とはいえ、ここで黙りこくっているとまた「突き放している」と思われかねないので、紗友莉は慎重に言葉を選びながら言う。
「拓麻とはずっと……今までずっと……友達同士だったし、その……突然すぎて気持ちの整理がついていない状態なの……。それに、さっき言ったみたいに……今の拓麻に婚約者さんがいることも事実でしょ。決して、その……拓麻の事が嫌なわけじゃないから。それは信じて」
「俺としても、紗友莉が本気で嫌がっているなら、こうして強引に無理やり抱きしめ続けたくはない。紗友莉の気持ちを聞かせてくれ。俺の事が、好きか、嫌いかを」
言い終わると、優しく紗友莉の髪を撫でてくる拓麻。
いまだかつて、男性からここまで熱烈に告白されたことはただの一度もない紗友莉の心臓は、ますますその鼓動を速めていく。
しかも、相手は、かつて長年想い焦がれていた拓麻なのだ。
紗友莉は甘美な感覚に全身を包まれながら、内心「拓麻が記憶喪失じゃない状態で、こんな告白をしてもらえたのならどんなによかっただろう」などと思っていた。
とはいえ、ここで黙りこくっているとまた「突き放している」と思われかねないので、紗友莉は慎重に言葉を選びながら言う。
「拓麻とはずっと……今までずっと……友達同士だったし、その……突然すぎて気持ちの整理がついていない状態なの……。それに、さっき言ったみたいに……今の拓麻に婚約者さんがいることも事実でしょ。決して、その……拓麻の事が嫌なわけじゃないから。それは信じて」

