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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第5章 不安

10時休憩はトイレに籠り、昼休みは屋上で朝購入したパンなんかを食べて、3時休憩はまたトイレと、私なりに陸さんや周りをかわした。多少変に思われても、本気で具合が悪いってバレるよりはマシ。こうして定時まで乗り切り、私は会社から速攻で出て、向かうのはいつもと反対方向。
都心の方に向かうからバスは混むけれど、タクシーまで使い行く場所でもないの。
混雑するバスを降りたらまた歩き、5分くらい歩けば私の目的地に漸くたどり着く。そう来たのは病院、今は個人でも1つの建物に集まっていて、偶々私が受診する科が揃っている。
(こっちの病院は久し振り)
待ちが長い病院だから、双方に受診を入れて早い方が連絡をくれる仕組み。その間は中央にあるラウンジで待てばいい。そこそこ良心的なサイクルでしょう?
(空いてるかな……あっ)
落ち着くのに最適な、リクライニング付きの独り掛けソファー、耳元にスピーカが内蔵されてあって、常にリラックス出来る音楽を流してくれている。今日は夕方だから空いていた、いつもは争奪戦なんだよ。
「やっと一息吐けそう」
椅子を倒して目を瞑れば、心地いい音楽が私を癒してくれるよう。この場所のためだけに来たいと思ってしまうのは、私だけではないはず。
少しだけ眠る……順番が来れば起こしてくれるから。昨日から寝ていないせいで、私はソファーに座りながら深く眠ってしまった。

