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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ


「──金と命にコスイ事で有名なイヴァンがユンサを殺って、自分の命までも消そうとしたんだ。」

「今のアイツにコカインの畑の場所や、まだ拉致されてるであろう子供達の居場所を隠し通せるだけの気力も残ってるとは到底思えない。」

「そうね、今の彼なら全てを話すと思うわ。」


「だろ?つまり、明日には一件落着してるってことだよ。」

「俺は大変だと思うけどな。そりゃあ名誉のほしい警察組に『何で神宮会に連れて来させたんだ、移動させた場所を教えなかったんだ』って詰められるのは目に見えてる。」


「ははっ、帝国にそこまで言いますか?あれだけの資金援助してるのに」


「さあ、わかんねえぞ。人間ってのはご都合主義だからな。」

病院だと言うのに偉そうにタバコに火をつけたテヒョン。

普段通りの彼で、普段通りの行動のはずなのに──何故か無償に彼が恋しくなった私は、重い腰を上げ、彼の腕の中へ飛び込んだ。

「ッ、なんだあ?急に抱きついてきて」

タバコを持つ右腕を私に当たらない様に必死に上に挙げているのがとても可愛い。


「……ありがとっ、テヒョン」

「──。」


「アンタもFBKも本当に凄いよ。」


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