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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ

──最後の言葉の意味を理解するのに、少しだけ……ほんの少しだけ時間がかかった。
だけども、あれは本心だったと思う。
勿論、確証なんて無いけれど私の勘は当たるのだ。
「チッ、なんだアイツ。ハンソン兄弟のくせしやがって最後の言葉なんてまるで007じゃねえか」
「まあまあヒョン。落ち着いて下さいよ」
「………。」
「はあ、ヌナ。何を案じて黙りこくってるワケ?安心しろや。」
「──ッ、え?」
見透かされたような言葉に、目を大きくした。
「俺はヌナとの約束は守る。本当は今すぐにでも殺しちまいたいけど──でも、アイツ達には何もさせずにソウル警察へイヴァンを連れて行くよ。」
「……。」
「ユンサの件については、イヴァンの殺人罪となるだろうな。目撃者としてヌナも居るワケだし。」
「そうね。」
「まあ、連れて行ったシンドンとソウル警察の幹部は繋がってる。アイツらが仲良く手繋いで、イヴァンを渡しても俺達神宮会には何と痛手にもならねえし、変な事は想像しなくて良いから。」
……慰める様に、何個も年上の私に対し優しい口調でそう言ったイルトを見て、他メンバーも素敵な笑顔で頷いてくれる。
「ありがとう。こんな無茶なワガママ聞いてくれて。」
「ヌナのワガママや思い付きに振り回されるのには俺達五人もヒョンも慣れてるからな。」

