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第18章 水心あれば魚心

宝ちゃんｓａｉｄ


え・・・と・・・？
何がどうなったんでしょか？
抱き締め・・・られちゃったり・・・してるんでしょか？


はい。
伊織ちゃんカップルの事を考えられず、二人きりになれたのが嬉しくてですね・・・
憧れで、大好きな・・・その・・・優君が
「どこに行きたい？」
って・・・
訊ねてくれるものだからですね・・・

「どこでも！！」

って応えましたよ？
ええ。
でも、ですね？
私がそう言うと困った顔をされた優君が居ましてですね・・・
私、何だか変な事を言ってしまったかなぁ？
と・・・思った次第でありましてですね・・・

正直に言ってしまっただけなんですよ？

「キティちゃんが好き！！」

と・・・

喜んでこの場所に連れて来て下さった優君には感謝しますよ？
舞い上がってしまったのも子供っぽかったかな？
と、反省してます
ミニオンのお揃いコスでキッズな子どもな感じの場所に燥いでしまった事は・・・
キティちゃんや、スヌーピーの着ぐるみが私の前を通りすがり思わず写メに収めたいと、我儘を言ってしまって・・・
嬉しすぎて、着ぐるみに抱き着いてしまって・・・
浮かれてたのは・・・
大目に見て欲しいと思うのです

思うのです

だって、仕方ないでしょう？

その・・・
私は、優君のお土産を買いに来る目的で・・・
いえ・・・
このはさんに頂いたお土産を私が食べてしまって・・・
申し訳なく思って・・・
わ、私は！！
優君が好きだから！！

一緒にここに来たくて・・・
伊織ちゃんにかこつけて・・・
どうにか優君とデートらしき物をしたかった
一杯の勇気を振り絞って・・・
優君とここに来れたらいいなぁ・・・
って・・・
ここに来たいなぁ・・・
って・・・

誰が私の頭の中の言い訳を聞いてくれてるの？
必死で言い訳を考える

走馬燈の様にこうなった経緯が頭に浮かんだ

夢みたいだと思った

何でかわかんないけど優くんに抱き締められたから・・・

「・・・転ばなかった？」

転びたかった
あなたがそう言うのならそれでいいです

私を抱きしめる腕が・・・言葉が・・・私の真実であったらいいなぁ・・・
抱き締めてくれるのなら・・・

優しい優君の手が余りにも・・・
優しいから・・・

恋愛初心者の私はどう応えていいかわからない
恥ずかしいとしか思えなくて・・・
言い訳ばかりを探してしまう