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あなたがすきでたまらない
第17章 隣の芝生は青く見える
「・・・で?どうした?」

「・・・すいません」

「そんなのが聞きたいんじゃないよ。お前・・・刑事だろ?」

「・・・はい」

「理由を聞きたいんだ」

「・・・」

「黙ってたらわからん」

「・・・好きな女の心を・・・痛めたからです」

課長は大きくため息を吐いた

「・・・ガキだな」

課長は俺を睨み付けた

「お前は・・・ガキで・・・バカで・・・アホ刑事だ」

「・・・」

「どんな事情があろうが、怒りに任せて殴るなんてのはやって良い事ではない」

「・・・」

「黙ってんな!!このボケ!!」

課長がデスクを叩く音が大きく響いた

「彼女を馬鹿にされたまま黙ってられませんでした」

「・・・お前・・・アホか?」

「アホですね」

「・・・どうせなら、職場外でやれよ・・・」

暗に職場外なら殴って良いと聞こえるのは俺の都合のいい解釈だろうか?
最も、職場外なら一発ではすまさなかったけど

「お前が・・・啓介が辞めてからお前がどう言った立場で、どんな環境にいるか俺が知らないと思ってるのか?」

「・・・」

「啓介のフンだっただけあって仕事は出来るお前が鬱陶しがられる理由なんて嫉妬しかないだろ?」

嫉妬?

「情報収集が大事だ。と啓介に教わらなかったか?アイツはな?時田が好きだったんだよ」

「え?」

「で・・・お前と付き合ったから嫉妬した」

「え?」

「え。ばかり言うな。アホが」

「で、でも・・・アイツ・・・彼女が出来たって・・・」

「俺の調べではアイツの写メの彼女は妹だよ」

「は?そんな事して何になるんですか?」

アイツ・・・俺以上に頭おかしいのか?

「時田の気を引きたかったんじゃねぇの?」

「楓の?」

「なんだ?知らなかったのか?お前とつき合う前は良く話してるの見たけど?」

知らなかった

「そりゃ、モテもするだろうよ?気が利くし?優しいし?仕事も出来て独り身で・・・純情だ・・・可愛いと思ってるのは、お前だけじゃないって事だよ。
まんまと相手の策略にハマったな。お前を怒らせて時田から別れさせたかったんじゃねぇの?」

「俺は課長の言う通りアホですから・・・」

「それは、知ってるっつってんだろ!!もっと、頭使えバカ!!啓介なら殴らずに相手をどん底に苦しめてるわ」

先輩ならそうする。でも「手がすべった」と言って殴るだろうけど
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