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あなたがすきでたまらない
第17章 隣の芝生は青く見える
信side


先輩に頼っては見たものの・・・
呆れられた
当たり前か・・・

溜め息を吐きながら仕事をしていると同僚が話しかけてきた

先輩が辞めて俺のキャラが変わった事を面白くないと思ってる奴・・・
どうやらアホな俺でいろと言う意味らしく、薄々気がついている俺と楓の仲を冷やかしてくる奴だった

「どしたん?元気ないけど?」

「・・・うるせ」

コイツが話しかけてくるなんて碌な事ではないのを知っている俺は無愛想な返事をした

「機嫌悪~。時田とお揃いであの日か?」

「・・・今、なんつった?」

なんで、楓が機嫌悪いって思うんだよ?

「いやさ?こないだも時田、残業してたじゃん?」

「・・・」

「用があったからお前の部署に寄って話してたらさ?急に、機嫌悪くなってよ?」

「それで?」

「俺達、どうしてかなぁ?って思って?」

コイツ・・・
先輩が辞めてから俺が先輩の後任になったのが気に入らないのは理解るがさすがに鬱陶しい
ニヤつく顔に反吐が出る

「お前に関係あんの?」

「関係なかったらいいけどな」

「どういう意味?」

「俺達、綺麗な女優の話しててな?誰が好き?みたいな?・・・それで彼女がいても別な話だろ的になって・・・」

「・・・」

「男の性だからしょうがないよなぁ!!って話してたら、時田が急に入ってきて「帰ります!!」ってさぁ」

・・・なるほど、理解した

「で、処女の時田は真っ赤になって帰って行った・・・アハハ!!」

俺の頭の中で何かが切れる音がした

「・・・おい・・・」

俺は胸倉を掴んでソイツに言った

「・・・面白かったか?」

「・・・なに焦ってんだよ?」

「面白かったかって聞いてんだよ?真っ赤になって帰る楓が」

「楓?お前ら、やっぱり付き合って・・・もしかして処女じゃなかっ・・・」

バキッ!!

「痛ってぇな!!何すんだよ!!」

殴った同僚が俺を睨んだ

「キャアー!!」

周りの同僚の女子やその他が騒いだ

「なんの騒ぎだぁ?」

たまたま通った課長が俺に近づく

「か、課長!!ご、後藤がいきなり俺を殴って!!」

課長の足元に情けなく這う同僚に俺は怒りを隠せなかった

「・・・後藤・・・お前・・・」

呆れた課長が俺を見つめた

「お前・・・ちょっと来い」

俺は有無を言わさず課長に腕を引かれその場を後にした

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