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隷吏たちのるつぼ
第5章  第四章 口開く陥穽
 踊り場で言うなり、征四郎はまた、無防備な悠香梨へ肉槌を埋めてきた。淫欲を直截に曝け出した肉壺が、襞を擦ってくる鰓首を抱擁してしまうのだが、背の集中のことを考えると、もたらされる愉楽に惑溺するわけにはいかなかった。

 征四郎はゆっくりと三往復だけして抜け出た。そして先へと促される。一段、一段、慎重に降りていった次の踊り場でも、また「ヤラせろ」。了解無しに貫かれ、ゆるやかにえぐられた。

 地上に降り立つまでに、数度だけピストンしては抜け出る、が繰り返された。こんな緊迫した状況なのに、あと何回か、もう少し早く……、最後の交接では、征四郎の去り際、肉壺は惜涙を流して名残を惜しんでいた。

 幸い、駐車場に誰もいなかった。庁舎から目立たないように端の塀に沿って進み、悠香梨の軽自動車の前まで辿りつく。

 そこで征四郎はハッチバックへ体を押し付けてきた。今度は手を背後に回して菊口を塞いだまま、長い片脚を抱えて正面から密着してきた。

「ヤラせろ。次はザーメンぶちまけてやる」

 真正面から迫る征四郎の顔は、断続的に繰り返した野外姦と肉壺の歓待に昂って、気色悪く歪んでいた。

「も、もう許して……」
「じゃ、キスするか? ここで。ベロチューだぜ、ベロチュー」
「ぐ……」

 言葉を呑んだ悠香梨を、クッと笑った征四郎が一気に突き刺した。ヌッと最奥が圧迫されると、括約筋が弛緩しそうになって、悠香梨は思わず目の前の両肩につかまってしまった。

 まさか駐車場で、渾身の連続打突を始めてきた。体の芯まで響く振動に、括約筋の戒めが追いつかなくなってくる。

「ひっ……いやっ、や、やめてっ」
「へへっ、いい声だ。もっと哭いてみろよっ、おらっ……」
「ひあっ……、んあんっ!」

 遠くを電車が走り、庁舎前の道を車が行き交っている。どこかからか、子供たちがはしゃぎ合う声も聞こえる。

(ああっ、こ、こんなのでっ……!)
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