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隷吏たちのるつぼ
第5章  第四章 口開く陥穽
 こんなこと、あってはならない。職場で、同僚もいる前で──

 悠香梨は大股開きになった。もっと高く。そう催促するように天井を突き上げられて、片肘を机につき、足を踏ん張り、ヒップを椅子から完全に浮かせた。指の圧を逃がすためだったが、むしろグラつかなくなったぶん、えぐりがウィークポイントに集中した。股ぐらから淫らな湿音が聞こえてきそうだ。

「イ……」

 意識が一瞬遠のいた。気を引き締めようとしたが既に遅く、大胆に開いた内ももに沿って温かな雫が流れ始め、量が増すと次々と真下へ流れ落ちていった。

(イクッ……)

 本当は大声で叫びたい。

 体重をかけたために机が軋んだが、悠香梨は意図的に咳込み、机の下では開いた太ももを引き締め、腰を突き上げてくる絶頂に耐えた。

「大丈夫? カゼ?」
「……、……っ、……っ!! はっ……、……い、いえ、だ、だいじょ、ぶっ……、です……」

 心配そうな課長補佐を見ることはできず、顔をPCのモニターの陰へ隠す。絶頂直後だ。言葉ではごまかせても、どんな顔をしているか知れない。絶対に見られてはならない。

「はやく帰ったほうがいいよ」
「……。……、は、はい……」

 ようやく腰のわななきが治まってくると、座り直すフリをして、腰を下ろした。

(……えっ)

 征四郎の腕を敷いてしまった。もう一度ヒップを上げる。だが征四郎は腕を引こうとしなかった。

「はっ……!!」

 ヒップの狭間に、硬い感触があった。
 異物の潜む穴ではなく、もっと奥の──
 何が起こっているかわからず、目視で確認しようとした時には、細い管のようなものが、不浄の窄まりに挿し込まれた。

「ちょっ……」

 体の下から腕は出ていったが、細管が残されている。自分で抜き取ろうとすると、

「いひっ!」

 後ろにかまけて、前は油断していた。
 異物がズルンと引き出され、座布団の上にコンペイトウのような塊が転がった。
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