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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
〃殴られるより・・・マシなんだから〃



本音では、それ以上に

恐ろしくて不気味だと知っていても

私は感情を押し殺した





叩かれるのは・・・痛い

切られれば血が出る




けれど・・・体の傷なら

いつかは・・・治る

治せるかもしれない




だけど・・・その痛みも、恐怖も

私はいつも、覚えている

忘れたくても、忘れられない




心に負った傷の治し方は

私にはわからない




そしてまた・・・この日もきっと

心に傷を増やす




だけどそれは

私が甘んじて受けるべき罰だから



と、…そう思って

耐えるしかなかった







グイ…っ





『・・・っ』




背後から肩と頬を掴まれ

夫の方を向かされる





ゾクっ・・・




『・・・』



〃こわい……〃





夫の手の体温に

体が瞬時に硬直する







誰か、助けて


ここから…助けて


神様…







なんて・・・そんなことを

私が願ってはならないのだ


そして

願ったところで・・・救いなんてない






お前の犯した罪だから償え



そこに関しては

それだけは

夫の言うことは全くの正論だ





そして・・・皮肉なほど


残酷なまでに


私が…耐えようと

押し殺そうとすればするほど

夫を拒絶する傍らで






私の体も・・・心も

私の全てが

彼を・・・あの人を思い出させた





〃ゆぅちゃん・・・っ〃







ゆぅちゃん・・・もしも

あなたがそばにいてくれたら




あなたならば

こんな状況さえも…吹き飛ばすように

強く生きるのかな




あなたは


いつだって・・・前向きに


どんな絶望の中にも・・・希望を






〃『下を向くな、前を見ろ』〃、と


〃『マリア…大丈夫だ、なんとかなる』〃、と


私の背を押してくれただろうか







ゆぅちゃん・・・今どこにいますか?

恋しいです



ゆぅちゃん・・・忘れることなんて

出来ないよ





どんな酷い罰を受けても良い

あなたと・・・生きたい











罪に罪を重ねるように

私は・・・心の奥底で

願っていた
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