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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?
『妻を許すのであれば…先方にも

そちらも…まだお若く
まだまだ将来のある身であると
私なりに心得ております

いたずらに事を荒立てて
爪痕を残し、憎み合うよりも

私達自身が前向きである為にも
今回の事は、清算して頂き
彼にも真っ当な道を歩んでいただきたい

ですので…私は…先方様にも
慰謝料などは求めません』



















ワーーーっ!!!パチパチパチパチ~!!!







…なんて声があがって


拍手喝采が起こりそうな


完璧も完璧なまでの演説




ひとたび周りを見れば

自分の息子の素晴らしさに
怒りもすっかり静めて

誇らしささえ感じてます
…とでも言うように
涙を拭うような先方の母親に



俺の隣ですすり泣きを堪えて
ハンカチで目を覆う俺の母親は

愚かな息子の犯した罪の前に
被害者である先方の夫の

その痛ましい胸中に、心を突き刺され
更に深い罪の意識にさいなまれる…







みんな…ヤツの意のままに


完璧に…ドップリと


心酔していた






それほどにまで完璧に

ヤツは周囲を取り込み、作り上げた



妻に浮気されて傷付きながらも

寛大な心で包み込み

前向きに進もうとする



働き者で心優しい

完璧なまでの〃被害者な夫〃の像を・・・





完璧なまでに

〃被害者〃と〃加害者〃を分断して

そこにいる全ての人間に刷り込んだ





ついでに言えば

マリアとやり直すと豪語して

こんな完璧な演説をすればするほど

マリアは最低の悪女だと

周囲は色濃く認識する…



それも…ヤツはわかっているんだろう

いや…確実に…わかっていてやっていた






興ざめを通り越して

恐ろしかった




これが、ヤツの言っていた
〃力〃の真骨頂…そのひとつだから





加えて…不思議でたまらなかった




それだけ…完璧な

ご立派な事が言えるのに



どうしてコイツは

その欠片さえも…

自らの人格に…取り込めないのか、が




どこかで引用して丸暗記したとしても

アドリブだったりしたら尚更だ…




天才的に…それだけの言葉も感情も

理解が出来るはずなのに



どうしてあそこまで

真逆の人格してて、歪んでるんだよ





理解不能だし…恐ろしかった
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