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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?

薄々…と言うか
それ以外に考えられないから
アタマのどっかで、わかっちゃいたが
黒幕が姿を現したかのような
ソイツの登場に
その場が騒然としたのは、言うまでもない
正確に言えば…凍りつくのは
俺と・・・マリア
声を奪われたマリアは
その人物を目の当たりにして
ついには抵抗もなにも
身動きもとれなくなるほど
恐怖に支配された顔をして
凍りついていた
『ククク…迎えに来たぞ・・・まりあ』
窓からふんぞり返って腕を垂らし
静かに言い放つソイツのその一言は
瞬時にマリアを支配しようとしていた
ドックン…ドックン…ドックン
俺の心臓が爆発しそうなほどに
唸りをあげている
諦める訳にいかない
だけど・・・どうすれば
「タチバナさん…」
『ご苦労様・・・』
この男の登場で
気性荒く振る舞っていた連中が
どこか控え目な空気を晒す
『随分と手間取ってると思えば…やはり
〃コソドロネズミ〃が一枚咬んでいたか…』
ヤツは車から降りては来ず
ニヤニヤと余裕をかまして
鑑賞するようにこちらを見ていた
その威圧感に
連中も…特にマリアを押さえている
サトウが、手荒な素振りを隠すように
その手の力をゆるめた
『・・・っ』
ガブッ…
マリアは力の緩んだ手から
逃れるように再び噛みつき
男を突き飛ばした
『っ、ゆぅちゃんっ…』
マリアはなりふり構わず
俺の元に駆けてきた
俺は…
『マリアっ…』
俺は手を伸ばして
マリアのその小さな手を
しっかりとつかまえた・・・
『『・・・』』
『ほぉ・・・、〃お揃い〃で?
カケオチごっこの次は・・・
何処へ行こうと言うんだ?』
それ以外に考えられないから
アタマのどっかで、わかっちゃいたが
黒幕が姿を現したかのような
ソイツの登場に
その場が騒然としたのは、言うまでもない
正確に言えば…凍りつくのは
俺と・・・マリア
声を奪われたマリアは
その人物を目の当たりにして
ついには抵抗もなにも
身動きもとれなくなるほど
恐怖に支配された顔をして
凍りついていた
『ククク…迎えに来たぞ・・・まりあ』
窓からふんぞり返って腕を垂らし
静かに言い放つソイツのその一言は
瞬時にマリアを支配しようとしていた
ドックン…ドックン…ドックン
俺の心臓が爆発しそうなほどに
唸りをあげている
諦める訳にいかない
だけど・・・どうすれば
「タチバナさん…」
『ご苦労様・・・』
この男の登場で
気性荒く振る舞っていた連中が
どこか控え目な空気を晒す
『随分と手間取ってると思えば…やはり
〃コソドロネズミ〃が一枚咬んでいたか…』
ヤツは車から降りては来ず
ニヤニヤと余裕をかまして
鑑賞するようにこちらを見ていた
その威圧感に
連中も…特にマリアを押さえている
サトウが、手荒な素振りを隠すように
その手の力をゆるめた
『・・・っ』
ガブッ…
マリアは力の緩んだ手から
逃れるように再び噛みつき
男を突き飛ばした
『っ、ゆぅちゃんっ…』
マリアはなりふり構わず
俺の元に駆けてきた
俺は…
『マリアっ…』
俺は手を伸ばして
マリアのその小さな手を
しっかりとつかまえた・・・
『『・・・』』
『ほぉ・・・、〃お揃い〃で?
カケオチごっこの次は・・・
何処へ行こうと言うんだ?』

