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第22章 盗人の意見・・・

『あの・・・どういう事ですか？』



質問の意味がまずわからない

そんな俺に構わず
ヤツは一方的に言及してきた







『早く…出せ』






……なんて言うってことは

少なくとも





『・・・いない…んですか？』






マリアがいなくなった…？

コイツの元から…

ってことは…






『お前しかいないだろう？』







って事らしい








でも…おあいにく様






『…知りません』







『とぼけるなよ…？』







『本当に知らない…』







知っていたら…

マリアの消息がわからないなんて
知っていたら

俺はこんな風に
家でボサっとしていられねぇだろ？






『正直に言え？そうすれば不問にしてやる』







『っ…知らないって言ってるでしょう？！

捜したらいいじゃないですか！

家中、どこでも！！』





バァンっ…！




俺は焦りか怒りかわからない感情に
勢い良くドアを全開にして

中に招き入れるように
玄関を空けた






『・・・』





『二度と・・・会わない

〃条件〃だったじゃないですか…』




『・・・』




ジロリ…

蛇みたいな目が玄関から家の中を
見渡したのはわずか一瞬

その目はずっと
俺をとらえていた




『……来る訳…ないじゃないですか

俺の所になんか・・・』






マリアが自分の意思で
俺の所になんか
来る訳がない

考えたら…
考えなくとも…わかるだろうが？





『マリ・・・奥さんは

あの人は、そういう人でしょう……？』






あの時の…必死なマリアを見れば
全てをなげうって
あんたに屈服したマリアを見れば


それ以前に、マリアの性格を
知ってれば



んな事は他人に聞かずとも
わかるだろうが

あんた…俺なんかよりずっと
ずっとずっとマリアといて
マリアを見てきた旦那なんだろ？



ホントにあんた…奥さんのこと

マリアの事を知らねぇのな



ナマエだけ…カタチ、格好だけ

〃紙の上の関係〃もいいとこだぜ・・・




ペーパードライバーならぬ

〃ペーパー夫〃だな、テメェ



流行りそうだろ？
あんたに捧げるぜ


流行語大賞、総なめ確実だ



この…野郎