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第29章 果たされぬ・・・約束

『・・・』


俺はエリカを無視するように

…と言うか

差し出されたものの受け取りを

拒否して

ベットに寝転んで足組みをした







『初めは…なんとも思わなかったんだ
ユウトの言うことに…なんとも

優しい人が…エリカを助けてくれた
ラッキーだったな、って

だけど…ユウトがエリカに色々
お話してくれたりするの聞いて

なんか…エリカ上手く言えないけど
気になったり…不思議に思ったり』






『・・・』







『人には…優しくなれるのに

自分には・・・冷たい』






『・・・』








『なんで・・・ユウトは

自分が…幸せになろうとしないの？』








『・・・』


イタズラ心でも…面白半分でもないんだろう

この子は、その感受性や素直さゆえに

思ったり…感じた事を

ただ素直に俺に聞いているだけ




自分に…〃やり直せ〃 〃幸せになれ〃と

偉そうに豪語した

どこにでもいる大人の一人である俺の

その言葉の〃矛盾点〃を

純粋に感じとって…ぶつけてきたのだろう






それは・・・真っ直ぐであればある程

俺の〃心の闇〃に触れるものだった







『〃こんなに〃…ユウトに幸せにって

言ってる人が…いるのに

ユウトは…なんか…暗い』







『・・・』






『〃この女性(ひと)〃が・・・

ユウトの・・・好きな人？』







『・・・』








『ユウトの・・・忘れられない女性(ひと)？』