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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第5章 緑に睡る
紳一郎は夜の雪道を足早に歩く。
屋敷からまっすぐ伸びた林道は意外に長い。
雪はまだ降り積もっていた。

手には籐のバスケット。ずっしりと重い。
けれど、紳一郎の心は羽根のように軽やかだった。
…中身はローストターキーに温野菜、フレンチフライ、牡蠣のオイル漬け、チーズスフレ、クリスマスプディング、そして上等のウィスキー。

料理長の安佐がこっそりと持たせてくれた二人だけのイブの晩餐だ。
安佐は紳一郎が今夜、十市の小屋でイブを祝うことを知っていて、一人で屋敷の晩餐に向かう紳一郎を階下の扉から貌を出し、こっそりと手招きした。
「…坊ちゃま。お食事の後、キッチンにいらしてくださいまし」

…行って見るとキッチンの広いテーブルの上には、綺麗に詰め込まれた温かみのあるクリスマスのご馳走がバスケット一杯に溢れていたのだ。
「安佐からお二人への、クリスマスプレゼントですよ」
血色の良い丸い頬で笑う安佐に紳一郎は抱きついた。
「ありがとう、安佐!」
…安佐がおばあちゃまだったら良かったな…。
紳一郎はしみじみとそう思った。
安佐はバターのいい匂いがするエプロンに紳一郎を抱きしめてくれ、優しく呟いた。
「良いクリスマスを…坊ちゃま」

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