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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶

───…
違う男に組敷かれた美弥がそこにいた。
手は後ろ手に縛られて、またしても辛い出来事が美弥に襲い掛かる。
『ごめんね…僕は美弥に恨みはないんだけど…麻耶からお願いされたら断れないんだ。僕』
『…南和…』
美弥は信じられない顔を南和という男性を見つめて名前を呼んだ。
『駄目だよ。そんな目をしても駄目。麻耶が望むことは何でもするんだ、僕。…それが人殺しでもね』
人殺しと言う言葉に反応する。
彼は本気だと、彼の瞳を見れば私でも分かる。
『震えてるね…僕が怖い?』
『どうして…ねえ…南和はこんなことする子じゃないわよね…ただの冗談よね…』
信じられない美弥は冗談だと言って欲しかった。
だけど彼は、美弥の髪を乱暴に掴み上を向かせた。
鋭い瞳。
その中に見え隠れする悲しみ…
『冗談で美弥を犯させたりする?美弥は僕の何を知ってるの?僕だけじゃないね。麻耶の事も知らないよね。心優しいふりをして人の心を踏みにじって…美弥も葉月も最低じゃん』
『踏みにじってるなんて…酷い』
『酷いのはどっち?ふたりして麻耶を傷つけて自分たちは幸せになる??それが許されると思ってるの?僕が許さないよ』

