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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
届かないと思っていても身体は勝手に動く。
ここで止めないと、美弥は不幸になる。
だけど、間に合わない。
美弥の背中に回った男性の手が美弥を押して部屋の中に入れた。
そして、ガタンと扉は閉じられた。

「美弥!!美弥!!」

ドアを何度も叩いても、それが音になることはない。
私は、この世界では無力で何もできない。

中から人の話し声がする。
美弥の悲痛な言葉とふたりの男性。
何を話しているかまでは聞こえなくても、これから先起こることぐらい予想は付く。
いえ…私は知ってる。
この後、美弥に起こる悲劇を私は知っている…
少し経てば、ここに一緒に来た男性が外にでてきた。
その隙間から、組み敷かれている美弥の姿が目に飛び込んでくる。

「あ―――…美弥…ごめんなさい…ごめんなさい」

助けることも出来ない自分の無力さに嘆くしかない。
目の前にいるのに、手を差し伸べられる距離にいるのに、私は何もできない。

『やっ…やめて…ください…』

美弥の悲痛な声が耳に入る。

『いやぁ――――』

美弥の絶叫が耳に木霊する。
これから先の悲劇を見続けることが出来ずに私は逃げ出した。
その背中に容赦なく突き刺さる美弥の悲鳴。
そして叩かれる音。
あの場を逃げ出しても心の中に入り込んでくる美弥の恐怖と絶望。
それは尋常じゃない。
体験していない私でさえ狂いそうになる。
だから助けて…
もう見てるのも聞くのも堪えられない。
誰か美弥を助けて…私を助けて…
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