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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶


───…


葉月と美弥のキスがきれいだと思った。
これが本来のふたりのあるべき姿なんだと思わずにはいられないほど違和感がなかった。
葉月が麻耶と結婚していても、お互いの想いが消えることがなかったのかと思うと人事ながらうれしかった。

『ごめん…』

『私の方こそ…』

お互いに恥ずかしがりながら、初々しく見える。

『何があったか…やっぱり言えない?』

『まだ…気持ちの整理がついてなくて…近いうちに時間を貰える?ちゃんと話すから…今までのこと全部説明したいから。だから…だから、あいつの元にはいかないで』

葉月はぎゅっと美弥を抱きしめた。
その言葉に美弥は頷いた。
だけど、あいつって誰だろう…

『美弥…やっぱり俺…お前が好きだから…麻耶のことちゃんとするから…それまで待っていてほしい』

葉月の告白に、私の心がキュンとする。
俊樹に好きだと言われたときみたいだと感じた。

『待ってる…待ってるから…』

葉月の言葉に、美弥もうれしそうに答えて、熱いキスを交わす。
何度も何度も、羨ましいほど熱いキスだった。
これ以上は見てはいけないと、後ろを振り返った瞬間、また視界が歪んだ。
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