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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶

そこには葉月と、あの時の父親がこちらに向かって歩いてきていた。
その葉月に麻耶は抱き付き、寄り添いながらこちらに向かって歩いてくる。
『…姉さん、いつも申し訳ない』
その一言に鼓動が早くなる。
いつから、葉月は美弥を姉さんと呼ぶようになったの?
そして姉さんと呼ぶ意味は?
それは考えなくても私は知っている。
『いいのよ。蘭子は私の姪でもあるのだから気にしないで』
『蘭子は私より姉様が好きなのよ。姉様も蘭子が好きだから問題ないの』
悪びれもせず話す麻耶に、美弥も葉月も父親も溜息を付き渋い顔をする。
『姉さん。ありがとう…おいで、蘭子』
葉月は美弥の腕から蘭子を抱き上げた。
蘭子は葉月の顔をペタペタと触りながら嬉しそうに笑った。
その姿は寂しそうに見る美弥の瞳が印象的だった。
その瞳が語るものはひとつしかない。
まだ、美弥は葉月を愛している。
なぜ麻耶が葉月の子供を産んだのか分からない。
だけど、まだ美弥の心は葉月を忘れることはできていない。
葉月は?
葉月も忘れていない?
そうあって欲しいと思う。
葉月と美弥には添い遂げて欲しいと強く願う。
あっ…また…くるっ…
そう思った瞬間、また視界が揺れた。
その葉月に麻耶は抱き付き、寄り添いながらこちらに向かって歩いてくる。
『…姉さん、いつも申し訳ない』
その一言に鼓動が早くなる。
いつから、葉月は美弥を姉さんと呼ぶようになったの?
そして姉さんと呼ぶ意味は?
それは考えなくても私は知っている。
『いいのよ。蘭子は私の姪でもあるのだから気にしないで』
『蘭子は私より姉様が好きなのよ。姉様も蘭子が好きだから問題ないの』
悪びれもせず話す麻耶に、美弥も葉月も父親も溜息を付き渋い顔をする。
『姉さん。ありがとう…おいで、蘭子』
葉月は美弥の腕から蘭子を抱き上げた。
蘭子は葉月の顔をペタペタと触りながら嬉しそうに笑った。
その姿は寂しそうに見る美弥の瞳が印象的だった。
その瞳が語るものはひとつしかない。
まだ、美弥は葉月を愛している。
なぜ麻耶が葉月の子供を産んだのか分からない。
だけど、まだ美弥の心は葉月を忘れることはできていない。
葉月は?
葉月も忘れていない?
そうあって欲しいと思う。
葉月と美弥には添い遂げて欲しいと強く願う。
あっ…また…くるっ…
そう思った瞬間、また視界が揺れた。

