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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶

───…
桜??
桜の花びらが舞っている。
大きな大きな桜の気が狂うように咲き乱れていた。
辺りは一面の田畑。
そして奥に大きな家が建っていた。
今度はあそこに行ってみようか…
いや…ここで待っていれば必ず会える。
誰に?
分からないけど会いたい人に会えると分かる。
桜が散りゆくのを見ながら辺りを散歩する。
田んぼのあぜ道を歩きながら、またしても懐かしさを感じていた。
『………結婚式当日に………いかな?」
『……うれし…』
風に乗って人の話し声が聞こえてきた。
その声を探してみれば、先ほどの大きな桜の木の下にふたりの人影が浮かび上がる。
近づきながら、そのひとりが私を美弥と呼んだ男性だと気がつくのに時間はかからない。
だけど、あの時より少し若く見えるのはなぜだろう
『美弥の両親もいるから…はっきりと美弥と結婚したいって言うから』
彼女が美弥なんだ。
そして、さっきの女の子?
意味が分からない。
これは誰かの記憶?
だけど分かることは、ふたりは恋人同士で近い将来結婚するということ。

