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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
絶叫した瞬間、のしかかっていた重さが消えた。

「イヤァ…助けて…助けて…葉月…助けて…」

「華!!華!!しっかりして!!」

「イヤッ…私に…触らないで…触らない…で…」

「華ッ!!華ッ!!」

「助けて…助けて…葉月…た―――」

助ける言葉をふさがれた。
それでも必死に抵抗する。
私に触れるのは許さない。
葉月以外、私に触れるのは許されない。
そんな私の心は届かず、舌が私の中に入ってくる。
口内を荒らされ、舌を見つけ出し絡めてくる。
逃げても逃げても追いかけてくる舌に……フッと懐かしさを感じ、懐かしい匂いがした。
そして先ほどの嫌悪感はない…
絡められる舌に、そっと自分の舌を絡ませてみる。
ビクッと跳ねた舌は、また私の舌を探し出し絡めてくる。
嫌じゃない…
このキスを私は求めていた…
ガチャガチャと暴れていた手がくたりと落ちる。
それに気がついた彼は、そのまま深いキスを続けた。

「ンアッ…」

キスをしながら甘美な声が漏れる。
もっとキスしていたいのに、唇は離れ、優しく髪を撫でられる。

「華…?」

優しく私の名前を呼ぶ。

「華…?」

もう一度、優しく名前を呼ばれ、瞳を開く。
涙で揺らいではいるけど…間違うはずなどない。

「俊樹…」

目の前にいるのは俊樹だった。
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