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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
「はぁ?それ誰だ…立花さん意外にも男いたのかよ」

―――バシッと頬に痛みが伴う。

その痛みで現実に引き戻され、蘇った記憶に困惑する。
あれは誰の記憶?
その記憶と酷似している現状に心は壊れかける。

「華…俺以外の男の名前を呼ぶなって言ったよな…葉月って誰だよ。えっ?」

「は…づ……き?」

口にしてその名前を呼ぶ。
それは誰?
どうして高宮くんは葉月の名前を口に出すの?
分からない…
分からないけど…
ドクリッと心臓が波打つ。
そして、またドクリドクリと波打ち、何かが蘇ろうとする。

「葉月って誰だって聞いてるだろう」

葉月の名前を口にして、また頬を叩かれる。

はづきは…

はづきは…

葉月は…



私が愛した人…




「アッ…アアアアアア…」

私の心は壊れていく。
押し寄せる感情に飲み込まれながら私は叫ぶ。


「いやっ…離して…助けて…助けて…こんなのイヤッ…イヤ――――――――」

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