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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
「…っ…許して…ください…」

私は泣きながら、許しを請う。

「何を許して欲しいのか言って。」

気持ちのない謝罪などいらないと言われているかのようだった。

「他のっ…男の…名前を…呼ん…で…ごめんなさい」

「華は誰の名前を呼ぶべきだと思う?」

高宮くんの手が頬を撫でながら鎖骨を這わせ乳首を弄ぶ。

「たかっ…高宮…くんの…名前…」

「おしいね。恋人同士は名前で呼ばないとね。呼んでごらん」

「あっ…あ―――…ま…こ…と…?」

恐る恐る名前を呼ぶと、一瞬表情が変わった。
その表情を見て少しホッとした。

「じゃあ、言ってごらん。抱いてくださいって。そしたら許してあげるよ。SEXは同意のもとにしないとね。」

『早く早く』と急かす。
あの痛みを思えば口が勝手に開く。

「…っ…まこと…お願い…私を……私を…」

だけど、それ以上言葉は出てこなかった。
それだけは言えなかった。
言ってしまえばそれは同意になる。
痛みを思えば言うしかないと分かっていても心のどこかでまだあきらめきれていない私がいた。
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