この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遠い日の約束。
第13章 混在する記憶

覚えている?と言われて、昔の記憶が蘇ってくる。
廊下でウロウロとしている学生を見かけて面接会場に連れて行った事がある。
あれは…高宮くんだったのか。
「どうしたらいいのか分からなくてテンパってると、華はいきなりドアをノックして面接会場に入って行ったんだよね。驚いたよ。年齢的に面接官でもないしこんなところに簡単に入れる人じゃないって分かるからね。だけど華は物怖じしてなくて、俺を部屋の中に招きいれたんだ」
愛撫する手を止め、目隠しを外された。
遮光カーテンがされていても陽が高くなっているのは分かる。
高宮くんは私の横に寝転び、立て肘で私を見下ろした。
その瞳はいつの間にか穏やかになっていた。
「トイレに行って遅れたことを伝えると、面接官たちは渋い顔をしてた。そりゃそうだよね。面接に間に合わないんだから。そんな俺が落とされるの確実で、諦めかけてたら華が面接官に言ってくれた。『初めて来た人が迷うなんて良い会社じゃないですね』ってにっこり笑うから俺驚いてね。面接官も目を丸くして、そして笑ったんだよ。『そうだな。高宮くん。悪かったね』って面接官が俺に謝罪してくれて…その時に、俺…華と結婚したいって思ったんだ。」
廊下でウロウロとしている学生を見かけて面接会場に連れて行った事がある。
あれは…高宮くんだったのか。
「どうしたらいいのか分からなくてテンパってると、華はいきなりドアをノックして面接会場に入って行ったんだよね。驚いたよ。年齢的に面接官でもないしこんなところに簡単に入れる人じゃないって分かるからね。だけど華は物怖じしてなくて、俺を部屋の中に招きいれたんだ」
愛撫する手を止め、目隠しを外された。
遮光カーテンがされていても陽が高くなっているのは分かる。
高宮くんは私の横に寝転び、立て肘で私を見下ろした。
その瞳はいつの間にか穏やかになっていた。
「トイレに行って遅れたことを伝えると、面接官たちは渋い顔をしてた。そりゃそうだよね。面接に間に合わないんだから。そんな俺が落とされるの確実で、諦めかけてたら華が面接官に言ってくれた。『初めて来た人が迷うなんて良い会社じゃないですね』ってにっこり笑うから俺驚いてね。面接官も目を丸くして、そして笑ったんだよ。『そうだな。高宮くん。悪かったね』って面接官が俺に謝罪してくれて…その時に、俺…華と結婚したいって思ったんだ。」

