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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶
解放されたら死のうと思っていても、今の格好を世間に晒されるのは流石に耐え難かった。
だから、言われたようにするだけ。
それ以上の事はする気はない…
唇が重なり舌が私を捉える。
その舌に私の舌を絡ませ、彼が欲しいキスをあげた。
クチュクチュと淫らな音が響いていく。
愛のないキスはただ空しいだけだと思いながら求められるままにキスを続けた。

♬♬♬♬♬♬♬♬♬

その時、スマホの音が鳴り響く。
確認しなくても分かる、俊樹からの電話だった。
それを無視してキスは益々深くなる。
唾液を流し込まれ、ごくりと飲み込むことを無言で強要され飲み込んだ。
吐き気がしても我慢する。
その間に何度も何度も俊樹からの電話の着信は鳴り響く。
きっと、私が出るまで呼び続けるんだろうと分かる。
何度目かの唾液を飲み込んだあと、唇が離れ、高宮くんは「チッ」と舌打ちをして、どこからかスマホを取り出したようだった。
何も見えない私は今の状況が全く分からない。

「立花さんからだね…しつこい男は嫌われるってね…とりあえず…面倒だからLINE送っとくよ」

鼻歌を歌いながらLINEを送っているようだった。
何と打っているのか気になる。
傷つける事だけは送っては欲しくなかった。

「なんて…送るの?」

その言葉に鼻歌が止まった。
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