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遠い日の約束。
第13章 混在する記憶

─…

──…

───…

まだ夜は明けていないのか真っ暗だ。
だけど、背中から感じる温もりに安心する。
今日も俊樹に抱かれて私は幸せに浸る。
この手を手離そうとした私は馬鹿としか言いようがない。
ずっと私を守ってくれた手を私の過ちで離そうとした。
許してくれる俊樹から逃げようとした。
だけど、それを春馬と部長は許してはくれなかった。
逃げて楽になるより、共に生きて辛い思いを共有しろと教えてくれた。
私は俊樹が幸せならそれでいい。
やっと心が決まった私は、俊樹に早く会いたい。









早く…会いたい?
今、抱きしめて寝ているのに会いたい?
ボンヤリとしていた頭が少しずつ覚醒する。

――カシャン

手に嵌められている手錠がカチャリと鳴った。
その音が全てを思い出させた。
俊樹はいない…
俊樹は…篠原さんと一緒…
だったら?
私は誰に抱かれてる?
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