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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第14章 烈しさと切なさと、愛しさと

―さようですな。儂も殿下ほどの若い頃には、かなり羽目を外したものだ。権勢を一手に握る領議政は中殿さまの実父ゆえ、恐らくは領議政に遠慮なさっておられるだけで、本音は新しい花を摘む話に、お心が逸っておられるのではありませんかな。
国王夫妻に御子ができるかできないかは、確かに国の重大事ではある。しかし、ファソンが側室として賢宗の閨に初めて召されて漸く一年、嘉礼を挙げて正式な王妃となってからではまだ九ヶ月に過ぎない。
幾ら何でも焦りすぎというか、周囲が騒ぎすぎの感があった。心ある者はそう思わないでもなかったのだが、やはり大部分は王が新たに側室を持つべきだとの見方に傾いていたのもまた事実である。
国王夫妻に御子ができるかできないかは、確かに国の重大事ではある。しかし、ファソンが側室として賢宗の閨に初めて召されて漸く一年、嘉礼を挙げて正式な王妃となってからではまだ九ヶ月に過ぎない。
幾ら何でも焦りすぎというか、周囲が騒ぎすぎの感があった。心ある者はそう思わないでもなかったのだが、やはり大部分は王が新たに側室を持つべきだとの見方に傾いていたのもまた事実である。

