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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第14章 烈しさと切なさと、愛しさと

まさに、様々な思惑が渦巻く王宮は、領議政が心配したとおり、ファソンにとっては〝伏魔殿〟といえた。
彼等の思惑をこれまで知らぬわけではなかった。けれど、ここまで王子誕生を望む声が強いとは正直、考えていなかったのである。
ファソンは今、我が身の読みが甘すぎたことをつくづくと悟った。そのことが中殿としての自覚がなさぎると言われれば、否定のしようもない。
だが―。たとえ誰から中殿失格だと誹られようと、彼からだけは言われたくなかった。一途に信じ続けていた彼からだけは。
彼等の思惑をこれまで知らぬわけではなかった。けれど、ここまで王子誕生を望む声が強いとは正直、考えていなかったのである。
ファソンは今、我が身の読みが甘すぎたことをつくづくと悟った。そのことが中殿としての自覚がなさぎると言われれば、否定のしようもない。
だが―。たとえ誰から中殿失格だと誹られようと、彼からだけは言われたくなかった。一途に信じ続けていた彼からだけは。

