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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第22章 素敵な贈り物

ん?……ガサッ、あっ!
クローゼットの奥、夏服が入れてある段ボールの底にぐしゃぐしゃの紙袋が押し込まれてる。
「鏡也君どうしたっていうのよ、あ…それって」
この箱、見覚えがある!
紛れもなくあの店のだ。
袋の中にはロゴ入りの包装紙に包まれた小さな箱と…クリスマスカードが入ってる。
『鏡也君へ!
気に入ったら使ってね
☆Merry Christmas…葉瑠』
ビリッ、ビリッ…包装紙を破り箱を開けると
「……やっぱり…」
デザインは少し違うけど兄貴に貰った物とよく似た皮の財布だった!
俺に言えなくて、こんなとこに隠してたんだ。
「葉瑠ちゃんらしいな」
「そうね」
「俺……どうしよ」
葉瑠に謝らなきゃ!
「鏡也のせいじゃね~よ」
「そうよ、仕方ないわよ」
二人とも落ち込む俺を慰めてくれる。
「あ、だからか?…」へ?
ヒロちゃんが何かを思い出したように声をあげた。
なに…?
クリスマスディナーが終わってから葉瑠に聞かれた事があるって
〝プレゼントに何を貰ったら嬉しい〟
「急にそんな事を聞くから、可笑しいと思ったんだよ…参考までにって言ってたけど……鏡也に別の物でも買おうとしてたのかもな」
そうなの?
いいんだよプレゼントなんて…
なぁヒロちゃん洋子さん
俺はどうすればいい?
葉瑠が帰ってくるまでソッとしてた方がいいの?
「「………」」
「行けばいいじゃない、葉瑠ちゃんのとこへ」
いや…でも…来なくていいって言われてるし
それに、まだ葉瑠にプレゼントも買ってないから!
「顔見てごめんって言うだけでもいいんじゃない?」

