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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第22章 素敵な贈り物

なんだよ、まだ財布の話してんのかよ。
俺の財布がそんなに気になるわけ?
〝葉瑠ちゃんがあのお店のお財布を買ったって言ってたんだけど〟
〝でもさっきのは違うんだろ?〟
〝そうよね……ねぇ、もしかしたら…渡せなかったんじゃないかしら〟
へ?……
葉瑠があの店の財布を買ったの?
渡せなかったって……
駅に置き忘れたからじゃないの?
あの時の、葉瑠の様子を必死に思い出す……
そう言えば…兄貴のプレゼントを見た後から様子が変わったような……
それまではポーチが可愛いって騒いでたのに急に喋らなくなったし
(…鏡也くっん、そんなに嬉しいの?)
(そりゃ嬉しいさ、自分じゃこんな高いの買えないからな)
(……だよね、ハハ)
俺が大喜びしたから…
もしかして言えなかった?
置き忘れたってのは…咄嗟についた嘘?
同じプレゼントだったとして
自分が渡す前に先に大喜びされたら……
そりゃ、渡せるわけないよな。
そうか、だから葉瑠は…手違いでって言ったんだ…
はっ?じゃぁ、もしかして……
バタン!
寝室に戻って部屋を見渡した…
どこだ、クローゼットか?
ガサッ、ガサッガサッ…バタンッ、
ない、じゃこっちは?…ガサガサ、ポイッ、違う
これも違った。ポイッ
きっとどこかに…
ガチャ
「ん?……おい…鏡也、何やってんだよ」
「やだ、鏡也君、どうしたの?」
「………//」ガサッガサッ
物音に気付いてヒロちゃんと洋子さんが寝室に入ってきた。
床に散らばった荷物とクローゼットを荒らす俺の姿を見て2人とも驚いてる。

