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第11章 外側と内側

(そういう私が、今一番渦中のど真ん中か・・)


本家直系、本社社長


早乙女でも会長に次ぐ立場‥
社長は朔夜叔父にすれば良かったのに、会長は何を考えているやら。



(考えても、一度決定した事は覆らない・・)


もう１２年も前に、痛い思いと共に体験した事、殆ど今更の話。



「来るそうですよ」


「そう・・
今日のところは、マスターに甘えておくよ」


連絡が付いたらしく、３０分程で来るという‥
流石に双子いっぺんは、私もどうなるか分かりもしない。



「さて、約束は約束‥
give-and-takeのね」


携帯を取り出し葉山にメール‥
こういう類には葉山は異様に強い。



「杉田さんの負担になりませんか？」


「誰か分からなければ良い事だよ‥
それこそ蛇の道は蛇、こういう事に長けていないと、世間は渡れないと言ったところかな？」


「そちらの世界もなかなか大変そうで‥」


「まあね‥
落とすか落とされるか‥
普通に会社員をしていても同じ事だろう？
それを大きくしただけで、そんなに変わらない」


スケールの違いなだけで、根本的には一緒‥
まあ会社員の方が楽には楽だが。



「会社員ですか‥」


「これでも１社員スタートなんでね、下積みくらいは分かるんだよ」


「意外ですね‥
特別な立場からのスタートだと思いました」


「まさか‥
１６才で高校に行きながら、ＩＴ子会社スタート‥
現実はこんなもの、短大卒業後少しまで普通に会社員だよ私は‥‥」


「厳しいですね‥
ですが、それが自身の身にもなっている、内側でそう決断した方は凄いですよ」


「凄い‥‥ね‥」



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