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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第11章 外側と内側

(とは言え、私も頓着が無いのだがね‥)
企業の買収はともかく、個人の土地不動産にあまり興味は無い。
元々、本宅を飛び出てマンション1つが出発点‥
本社社長になっても、相変わらずあのマンションに住んでいるのだから、相当無頓着なのだろう私も‥‥
(そう言えば、遺品管理の為に一度本宅へと葉山が言っていた)
本宅なのだから、未だ持ち主は会長‥
私的には気が進まないが、完全に把握しておかなければ、後々になって不都合が出るかも知れない。
「この1件が終わってからだ‥
その前に24時間‥どうしたものか・・・」
このオフィスも、基本的に残業は無い‥
それなのに、24時間監視‥しかも半月以上・・
「最悪泊まり込みでもするか?」
上階にある、私専用のこの部屋なら、多少窮屈でも寝る事は出来るだろう。
葉山に先を見越されて、此処に移る時に、仮眠用の個室と簡易シャワーまで用意された。
シャワーはまあ‥変装というか、最近すっかり馴染んだこの格好が、本社以外だと鬱陶しいという理由もある。
本社以外は、前と変わらない髪を下ろしたスタイル‥
多少アレンジを加えているが、まだ普通の範囲内。
流石にもう、髪を完全に下ろした格好では人前には出ない‥
そんなのはプライベートのみ‥それすらも最近は少なくなった。
「・・・
プライベート‥‥か‥」
まだ病院で話をした、父との会話が耳に残っている‥
忙しければ、そこまで思い出す事は無いが、こう‥ぽかりと仕事が空いた時なんかに、ふと思い出してしまう。
たった数日間だけの、最後の親子会話‥
父は‥話したい事は全て話したのではないか、私はそう思っているが・・
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