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《愛撫の先に…②》
第11章 暗い未来?
『あの人の子供なんて望んでないっ、だから…中絶をするの』
奈々美はなんでわかってくれないのかと結城を睨んだ。

『半分は君の何処かが似ている子供になる、望んでないと言っても妊娠していたら産まれてくる子供に罪はない、命を絶つ事はないと思うのです』
睨んでも俺には通用しないという平常心を取り戻したようだ。

『あたしの気持ちなんて考えてもいないくせにっ…好きでもないあの人の子供をお腹で育てて産むなんて無理なのっ』
至近距離でありながら怒鳴る。

『つらい時には寄り添いますよ』
奈々美の髪を撫でる、優しい表情から彼は本当に十月十日寄り添いそうだ。

『寄り添われても強姦されたあの人の子供だもの…そんなの受け入れられない』
睨んでも怒鳴ってもなんでわかってくれないのか、そんな苦悩の表情。

『……寄り添いますよ』
決意は変わらないようだ、彼はまっすぐ奈々美をみている。

どうしてわかってくれないの…?
もし出来ていたら強姦されたあの人の子供を産む事になるのよ?

奈々美は結城に背を向けて泣き肩をふるわせる。
後ろから彼女を抱き寄せる右腕と手のひらに彼女は彼のぬくもりを背中で感じた。

『俺の父さんは俺達家族をすてて出ていった…その頃小学生で何処に行ったんだよっって探しまわった…母さんは俺の肩を抱いて黙って首を振ったんだ、探したら悲しむ事になるのがわかっていたから…』

『…結城さん?』

『浮気相手と家族をつくっていい父さんになったと母さんから聞いた…俺とキャッチボールをしたり寿司を食べたりした笑顔ってなんだったんだろうって…捨てられる・排除される事に気持ちが先行してしまった…』

『結城さん……』

『俺の過去の思いから産むという意味合いを口走ってデリカシーの欠片もない…すまなかった…まずは産婦人科に俺もついて行く、スケジュールを調整します』
産婦人科、それは彼にとって産めという意味合いではなくいるかいないかをはっきりさせたいとの産婦人科なのだ。

『ん……怒鳴ってごめんなさい』

『構わない、君が取り乱す気持ちはあたりまえなのだから………寝ようか、明日も仕事なのだから』

奈々美が身体の向きを変えようとするので結城は彼女を後ろから抱いていた腕をどけた。

『奈々美…』

『なぁに?』

結城は右手で奈々美の頬に触り横に向きを変え目をまん丸くした彼女の唇にキスをした。

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