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サキュバスちゃんの純情《長編》
第2章 週末の終末

「あかり、結婚したかった……君と一緒に……生きて」

 落ちてくる涙。
 言葉にならない愛。
 届かない心。

 彼がどれだけ私を愛し、大事にしてきたか。わからないわけじゃない。
 彼から大切に扱われているという実感はあった。「好きだ」と言われなくても、私に興味を示してくれなくても、好意は感じていた。

 それが本当は、深い愛情だったなんて、夢にも思わなかったけれど。

 すべて、見ないように、感じないようにしていたのは、私自身のせいなのかもしれない。

「潤、私も、好きだったよ」

 宮野さんの体を抱きしめて、嗚咽を耳元で聞きながら、彼に囁く。

「潤、来て」

 びくんと腰が跳ねる。宮野さんは少し起き上がって、涙に濡れた目で私を見下ろす。

「一番奥に、来て」
「あかりっ」

 速くなる律動に、舌を求め合うキス。
 こうやって、キスをしながら受け入れるの、好きだったよ。

「あかり、イクっ」

 小さく呟いたあと、すぐに唇を塞いで。宮野さんは、一番奥で、私の大好きなご馳走を出してくれた。
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