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サキュバスちゃんの純情《長編》
第2章 週末の終末

 美味しいわけがない。
 私にとっては精液は美味しいものだけど、普通の男性にとって愛液は美味しいものではないはずだ。私がサキュバスだからといって、体液が甘くなるわけではないのだから。

 ショーツの端を引っ張って、宮野さんは器用に脱がしてくれる。キャミソールとスカートと靴下だけになった私を見下ろして、宮野さんは初めての言葉を呟いた。

「……かわいい」

 顔から火が出るかと思った。
 かわいい、なんて、宮野さんから初めて聞いた。他の人からは何度も聞いた言葉だけど、宮野さんからは、初めてだ。

「あかり、かわいい」
「ありが――っん」

 唇が塞がれる。乱暴なまでに貪られる。でも、気持ちいい。
 熱い指がぬるぬると割れ目をたどり、小さな花芽を擦る。途端に、腰が浮き、与えられた強い快感から逃れようと暴れる。

「っや」

 親指で押さえつけられるように蕾が擦られ、指で弾かれるたびに腰が動く。左足がソファから落ちて、宮野さんの太腿が私の足を押さえつける。
 ぬるりとした指が蜜口に宛てがわれ、くちゅと音を立てながら挿入ってくる。ゆっくりと肉襞をたどるように進み入ってくる、細くて長い中指。中を往復するたび、くちゅくちゅと水音が響く。

「っ、ん、ん」

 宮野さんはずっとキスをしたままだ。私が出した声はくぐもったまま、宮野さんの中に消えていく。
 左手はいつの間にかキャミソールの下で胸の突起を摘んでいる。右手の親指は肉芽を、中指と薬指が内壁を、擦る。

「んんんっ!」

 指が中で一番いいところと外で一番敏感なところを同時に引っ掻いた瞬間に、体が大きく震えた。きゅうきゅうと宮野さんの指を締め付け、体が何度か跳ねたあと、ゆっくり緊張が解けていく。

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