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サキュバスちゃんの純情《長編》
第2章 週末の終末

「ごめん、ね? 今まで、イヤだったよね?」
「うん。でも、仕方ないって諦めていたから。俺も伝えなかったし、いいんだ」

 キャミソールの上から手のひらで軽く刺激を与えられただけで、胸の頂はすぐにはしたなく立ち上がってしまう。ぷくりと存在を主張し始めた突起を見つめ、宮野さんは笑う。

「それに、見えなくても、わかる」

 布の上から乳房を押し上げるように優しく揉まれる。感触を楽しむかのように揉まれるだけだと、少しくすぐったい。
 指が一瞬突起を引っ掻いただけで、体がビクリと波打つ。

「んっ、あ」

 触って欲しい。
 もっと気持ち良くしてほしい。
 ねだるために、宮野さんの舌を吸う。唾液を飲み込んで、首に手を回す。でも、宮野さんは乳房を揉んで焦らすだけで、決定的な快楽を与えてくれない。抗議のためにちょっと強めに舌を吸おうとすると、宮野さんが笑った。

「どうしたの?」
「……触って欲しい」
「どこを?」
「胸」
「もう揉んでいるよ?」

 そうじゃない。そうじゃないのに。宮野さんは意地悪だ。
 けれど、こんな宮野さんは初めてだ。優しくて献身的なセックスが多くて、こんな意地の悪い言い方なんてしなかった。したことがなかった。
 それがぜんぶ抑圧されていた姿だったなら、私は彼に、本当に申し訳ないことをしてきたんだろう。

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