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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「客室。好きに使っていいよ」
「広い! 洗面台がある! あ、トイレも! 翔吾くんの部屋は?」
「二階にあるよ。あとで案内してあげる」
窓からは緑が見える。むしろ、緑しかない。木々の中にあるんだと実感できる。
キャリーバッグをクローゼットの前に置いて、翔吾くんがゆっくり近づいてくる。
「あかり」
「はい」
ぎゅうと抱き合って、キスをする。最初から舌を絡めて、お互いの味を、熱を、求め合う。
ゆっくりと抱き合いながら、笑い合う。
「今日一日、俺に時間をちょうだい」
「ん、いいよ」
「一日中、抱いていい?」
「いいよ……でも、シャワー浴びてからがいい、かな」
「わかった。お風呂でしようね」
そういうつもりではなかったのだけど、まぁ、いいか。
「健吾と俺のことを気にしているなら、気にしなくていいよ。何もなく、いつも通りだから」
「翔吾くん?」
大きなベッドに押し倒されて、翔吾くんを見上げる。翔吾くんは私を組み敷いたまま、何度もキスを落とし、服の上から胸を揉んでいる。
「健吾に抱かれてもいいって言ったのは俺だし、あかりがそういう人だってことは十分理解しているから。まぁ、健吾の初めてがあかりだっていうのは、ちょっと羨ましいけど」
「……ごめんね、翔吾くん。私、嫌われたかと思って」
「俺があかりを嫌うわけないでしょ。どれだけあかりのことを好きだと思ってんの」
翔吾くんは苦笑する。
そして、私は「今しかない」と判断した。今が、絶好のタイミングだと。
「あ、のね、本当に疑問なんだけど……翔吾くんは私のどこが好きなの?」
「あかり?」
「そして、それは、どれくらい……本気なの?」

