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サキュバスちゃんの純情《長編》
第4章 過日の果実

 相模湾や駿河湾で捕れた新鮮な魚介類、地元箱根の野菜、飛騨牛……大きなテーブルが食べ切れないほどの料理で埋め尽くされていく。

 湯川先生の食べるスピードに合わせて料理を持ってきてくれる仲居さんが、「金目鯛の煮付けでございます」「天然アワビの造りでございます」「山菜の天ぷらでございます。こちらから順番に」と説明してくれるけれど、全部美味しすぎて、言葉が全然頭に入ってこない。

 瀬戸内も魚介類が美味しかったけど、箱根も海に近いんだなぁと納得できるくらいに美味しい。あんなに山道を通ったのに不思議だ。

「あかり、金目鯛美味しいよ。お肉も。焼いてあげようか?」
「もうお腹いっぱいになってきた」
「えー、もう? 少食だなぁ、ほんと」
「先生、食べてよぅ」

 だって、三回も中で出してくれたから、温泉に入る前から満腹に近かった。だから、夜の分に取っておこうと、あのとき先生をイカせなかったのだ。

 金目鯛の煮付けは甘くて美味しい。真鯛の刺し身も、鯛飯も好きだけど、煮付けもいいなぁ。

「北海道も魚介が美味しかったなぁ。今度はあかりも連れて行ってあげるよ」
「寒いのは苦手だから、冬以外で連れてってね」

 へぇ、寒いのは苦手だったんだ、と湯川先生は驚く。

 結局、先生が焼いてくれた肉を口に入れる。柔らかくて、肉が舌の上でとろけていく。目を丸くした私を見て、先生は笑う。うん、美味しい!

「だから、お見舞いのとき、あんなに着込んでいたんだ?」
「だって寒かったんだもん」

 駅から病院までは少し歩かなくてはいけなくて、ダウンジャケットにブーツに、ニット帽に、カイロに……まぁとにかく完全防備だったのだ。二月だったのだから、仕方ない。

 と。先生の猪口が空いたので、日本酒を注ぐ。箱根道と書いてあるので、地元のお酒だろう。

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