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サキュバスちゃんの純情《長編》
第4章 過日の果実

ザワザワと緑が揺れる。掛け流し口から温泉が落ちてくる音も、耳に心地よい。
熱を含んだ風が髪と肌を撫でていく。
「ん、ふ」
浴槽の中で抱き合ったまま、先生の肉棒を咥え込んで、キスをする。緩く腰を動かすたびに水面が揺れて、ザバザバと波が立つ。
「せんせ、気持ちい……」
「俺も」
鎖骨に噛み付いて、先生は痕を残す。胸の頂きを指で捏ねられるたび、中がきゅうと切なく締まる。
中はもう、私と先生の体液でヌルヌルしすぎてしまっている。
じんわりと広がる快楽の波は、お互いを絶頂に引き上げるほどの激しいものではない。
お互いの体を少しずつ刺激して、交わる行為を楽しむためのものだ。
「あかりの肌、綺麗だね」
「温泉のせいかなぁ」
「もとから綺麗だよ」
ありがと、と笑って唇を重ね合う。
気持ちいい。先生とのセックスは、本当に気持ちいい。たぶん、彼がものすごく私を慈しんでくれるから、そして、研究熱心だからだと思う。私をどうやって気持ちよくさせるか、どうやって高みへ連れて行くか、すごく考えてくれている。
精液だけ欲しいのに、快楽に溺れてしまいたくなってくる。
「夕食は六時からだよ」
「はぁい」
「そろそろ出る?」
「出ない。まだ挿れていたいの」
先生は「のぼせるよ」と苦笑する。
夕食を食べて、ゆっくりして、セックスして、温泉に入って、またセックスして……そんな時間も悪くはない、か。

