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サキュバスちゃんの純情《長編》
第4章 過日の果実

「あかり、俺」
「来て、せんせ」

 膣口に宛てがわれた亀頭が恐る恐る浅く挿入される。その瞬間に、宣言通り、先生は顔をしかめた。
 びくびくと吐き出される精液の熱を感じる。どろりと膣襞に絡み付いて、私の中を満たしていく。
 ……美味しい。

 それにしても、私は満足しているのに、先生の表情は晴れない。曇っているどころか、雨が降りそうだ。

「……っ、ごめん、あかり」
「せんせ。謝らないで。いつも言っているけど、そんなの、必要ないんだよ」

 早漏が情けないなんて、誰が言ったの。誰が先生を傷つけたの。こんなにかわいい人を、なんで必要以上に苦しめるの。

「せんせ、掻き混ぜて」
「っ、あ」
「私のと先生ので、ぐちゃぐちゃにして」

 精一杯腕を伸ばして、先生の腰を抱きしめる。膣をきゅっと締める。
 先生が私を求めてくれるのは嬉しい。だから、私も先生を求める。先生も嬉しい? それとも、残酷だって思ってる?

「もっと奥まで、繋がりたいの」

 セックスは食事。
 精液はごはん。
 愛はいらない。
 体だけ、ちょうだい。

「あかり」

 ゾクゾクする低音で、私の体だけ求めて。

「愛しているよ」

 落ちてくる唇と、沈んでくる腰で、優しく愛を囁かないで。
 私は、先生を――。

「愛してる」

 ……まぁ、今はとりあえず、もっと、精液ください。

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