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サキュバスちゃんの純情《長編》
第4章 過日の果実

湯川先生の人差し指がするりと唇を撫で、キスをしたいと告げてくる。
繋いだ手の指が絡められ、早く押し倒したいと主張してくる。
目が、声が、指が、強く私を欲する。
「せん、せ」
「……これでも結構、我慢しているんだ、朝から」
「……うん」
「正直に白状すると、今すぐ抱きたいくらい」
「……え」
「あかりがかわいすぎるのが悪い。なんで、こんなにかわいいの、ほんと」
そう、かなぁ? なんて、野暮なことは聞かない。
体は正直だ。キスも愛撫もされていないのに、「欲しい」と伝えられただけで下腹部が熱を持つ。
熱を鎮めるにはどうすればいいかなんて、わかりきっている。
あたりを見回して人がいないことを確認して。繋いだ手をぐいと引っ張って、湯川先生に耳打ちする。
「先生、私も……早く抱いて欲しい」
そして、驚いてこちらを見た先生の唇に軽くキスをして、笑う。
「早く、抱いて」
湯川先生が出入り口のほうへ足を向けたのを、私は止めない。止めたくなかったのだ。

