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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第30章 PM2時の君

「これ、私からのお礼です。あとで、ゆっくり見てください!」
「ありがとう!」
そう言って、サラが紙袋を俺に渡してくれた。
「お兄さん、元気で。ありがとう!」
「星野さんも、元気で。」
俺がそう言うとサラは、瞳に涙をたくさん浮かべて、無理に笑顔を作って俺に手を振った。
俺はそんなサラを、ただ見つめるだけしか出来なかった。
最後のPM2時の時間は、あまりにも、あっけなく終わってしまった。
これからは、ここに来ても、もうサラに会える事はないのに。
ダンボールを回収してパッカー車のふたをしめる。
サラが消えたバックヤードのドアをもう一度、見つめて呟く。
「サラ、ありがとう!」
パッカー車に乗り込んで、俺は車を走らせて会社へと戻った。
仕事が終わり、サラからもらった紙袋を見ると、封筒が二つ入っていた。
一つは星野さんから、もう一つは、サラからだった。
俺はサラからの手紙を読んで、慌ててしまった。
そこにはあまりにも、突然の事が書かれていたから。
俺は帰り道とは違う方向に車を走らせる。
頼む!間に合ってくれ!
サラ、最後にもう一度、君に伝えたい!!
君を愛してる。

