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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第12章 アズの過去

「うん…信じるよ。ごめんね。」
「うん。家族の事詳しく話すから、聞いてくれたら、嬉しい。」
私は静かに頷いて、アズの話に耳を傾ける。
いつになく真剣な表情をしたアズが、大きく深呼吸をして私をしっかりと見つめ、ゆっくりと話し始めた。
「俺は3年前まで結婚してたんだ。10歳になる子どももいる。」
「えっ?結婚早かったんだね。」
「うん…いわゆるデキ婚てやつだったから…。」
「そうなんだ。で、どうして別れちゃったの?」
「価値観の違い。簡単に言うと、俺は奥さんには家庭に入って欲しかったけど、奥さんは働きたい人だったから、考え方が違って、いつの間にか溝が出来てたんだ。」
「うん…。」
「デキ婚だったから、そういう未来像もお互いに話す事なかったから…。いつの間にか奥さんと、子どもがこの家から出て行った。」
「………。」
「この家に俺と離婚届けだけ置いて、終わりになってたんだ。」
「アズ…話してくれて、ありがとう。もうこれ以上は、話さなくていいよ。」
そう言った私を見つめるアズは、すごく切なそうで、私の胸は締め付けられる。

