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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"

「はぁ…
その忍自分に任せて貰えませんか??
事実‥自分も結界符を破られて、少々辛いですけど……」
「橘、何か策があるのか?」
「・・・・・まったく・・」
「お前なぁーっ!!」
瑠衣の言葉に、思わず煙管を落としそうになっている・・・
「仕方が無いでしょう、相手の出方が分からないんですから」
「そりゃそうだがよ…」
土方が半ばヤケクソ気味に頭をポリポリと掻いている、相当苛々している‥そう見る。
「総司とお前、二人掛かりで勝てなかったもんを、どうするつもりだってんだ…」
「此から考えますよ…
いざとなったら、罠でも何でも使える物は全て使います」
瑠衣の顔も渋い顔になっていて、どう策を練ろうか思案中‥
多分、簡単には答えが出てくれそうには無いけど……
「兎に角、お前ら意外危なくて他は出せん、それだけは肝に命じておけ」
「「はい…」」
報告は終わりとばかりに、土方の部屋を出る総司と瑠衣、その足取りは異常な程重い。
「・・・・・
土方さんにあんな事言ってましたけど、実際どうするのですか??」
瑠衣の先を歩く総司、何時もより声は堅く、後ろ姿で表情は見えない。
「まだ何も考えていません、というより情報が少な過ぎます、その範囲で何処までやれるか不安は付きます…」
本当に打つ手無しに近い、相手が円月輪の使い手で、多分あの女忍の様に、符か何かを使うのでは無いか??
それくらいしか情報が無い…
幾ら自分でも此処まで少ない情報から、的確な答えを出すのは無理だ。
「…
お願いですから、あまり無理な事はしないで下さい」
相変わらず後ろ姿で表情は見えない…
逆にそれが少々不安になって来る。
「分かってます、一人では行動はしませんから」
「では私も一緒に?」
「出来たらお願いしたいです」
「…勿論です」
総司の言葉を聞いて少し安堵を覚える、もしかしたら自分自身を責めているのでは無いか、そう思っていた。
「必ずですよ」
「はい、必ず」
とは言っても、あの忍に主らしい目がある限り、迂闊な力は使えない。
なので、当面全くの策無しではあるが・・・・・
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