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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

そんな時に――。
――バタン! と、ドアの閉まる音がして、
「――!?」
僕は警戒心も顕わに、周囲を見つめた。が――
「どうか――したの?」
「え……? あ……!」
その時の時刻は、既に深夜であったろう。だのに――
僕の前に表れていた、その姿に――僕は唖然としていて――。
どうして、そのタイミングで顔を出していたのか、とか――
どうして、こんな時に限って僕を気にかけているのか、とか――そのような疑問は、此処に至ってどうでも、よくって――だから。
「き……き……」
「まあ、いいわ。今はなにも、言わなくたって――だから、ほら」
「――木織!」
広げられた両手、その最中の胸へ――気がつけば僕は、抱かれてゆくのだった。

