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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第28章 第十一話 【螢ヶ原】  其の四 
 お彩の眼の前を、また、一つ小さな球が光の粉を撒き散らしながら流れていった。
 そして。
 その少し後方から、お彩のうしろ姿をじっと見ていた男がいることを、お彩は知らなかった。男の眼は、言いようのない哀しみと絶望に揺れていた。
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